どこかの誰かの秘密基地

このブログはどうせフィクションです

諦めないのが悪かった。もう誰にも頼らず、1人で生きて、1人で死ぬ覚悟を決めていれば誰も傷つけなかった。単純な話だ。

どこかで分かってはいたのだ。好きだった彼の今までの行動は私だけに向けられていないこと。よく話す男友達が話を聞いてくれるのは、お互いが恋愛対象でないことが前提であること。中学の時に付き合った彼女を大事にしなかったツケが今きていること。なによりも、

自分がいなくても代わりがいること。

どれだけ私が「寂しい」と叫んでも人々は歩いている。車は信号に従い、野良猫は餌を求めて人間に擦り寄る。世界は容赦なく回っている。

私が生きているのはそういう場所だった。ちゃんと気付いてたはずなのに、忘れてしまったのはいつだろう。

恋は盲目、なんてよく言ったものだ。都合の悪いことを全て吹き飛ばしてしまう。醜い顔も、躰も、心も。そのまま飛んでいってしまえば良かった。

空っぽなまま今日も眠る。ずっと空っぽなままで、仄暗い明日に呑まれる。

それでいい。もう疲れた。